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甲子園の土の産地どこから?春と夏の違い成分をブレンドする阪神園芸株式会社

甲子園の土。選手が持ち帰るたびに少なくなって追加してるのは知ってましたが、どこかから適当に持ってきているのかと思っていました。全然違った…

選手が最高のパフォーマンスで試合ができるように、ものっっすごーくこだわりまくってつくった土だったのですね。適当に持ってくるなんて思っててごめんなさい

( TДT)ゴメンヨー

 

甲子園の土をつくっているのは、阪神園芸という会社です。一応、農学部だった私。そんなに勉強はしなかったなりに土や園芸の授業は受けていたので、園芸って会社名を聞いてちょっと親近感がわきました。

甲子園の土のことや、阪神園芸さんのこと。調べてみました。

 

まずは、甲子園の土のことから

甲子園の土。黒土と砂が混ぜられてつくられているそうな。

 甲子園球場の内野フィールドには黒い土が使われているのはご存知だと思います。これが黒土だけだと細か過ぎるので固まりすぎて校庭のような状態になってしまいます。そこで黒土と砂をおよそ半分づつ(実際には時期によって少しづつ割合は変わりますが)混合したものを約30cmの厚みで敷き均しています。

 

土も生きている|匠の技 | 阪神園芸株式会社

 

ちなみに黒土って、その名の通り黒い土。花壇とかで見られる黒い土ですね。水をかけたらしっかり吸いこみそうだし、お団子にしたら硬くなっちゃいそうです。水を吸ってキープする力はあるけど、逆に水はけがよくない。甲子園で雨が降ったら水はけは重要です。そこで砂を混ぜています。砂が水はけがいいっていうのは、植木鉢とかに砂浜の砂を入れて水をかけたらあっという間に水がなくなっちゃいそうだな、黒土だったらしばらく表面に溜まってそうだけどっていうのは想像できるかと思います。

 

さてさてその成分について。

・黒土の産地
 岡山県日本原、三重県鈴鹿市、鹿児島県鹿屋、大分県大野郡三重町、鳥取県大山 などの土をブレンドしている。(毎年決まっているわけではない。)
・砂の産地の変遷
 甲子園浜及び香櫨園浜社有地 ~ 瀬戸内海産の砂浜 ~ 中国福建省
・黒土と砂の割合
 春は雨が多いため砂を多めに、夏はボール(白球)を見易くするために黒土を多くブレンドしている。

 

Q & A | 阪神甲子園球場

 

ブレンドしてつくってるっていいなーって思いました。もし、たとえば鹿児島の土だけだったら、鹿児島の高校が甲子園の土だって持って帰ったら実は学校の近所の土と同じだったとかいうことになったら虚しいなって思ったので(笑)

 

鹿児島の土は、桜島の噴火で噴出した土が由来みたいですよ。雨による影響が最小限だったり打球のバウンドが安定してたりと優れた黒土のようです。

 

参考:大隅黒土販売 甲子園、プロ野球キャンプ場使用のグランド用黒土

 

黒土や砂、産地によって保水性とか硬さとか微妙に違うだろうし、その土地のその年の状況によっても違うだろうから、そういうのを見極めて配合を変えているのでしょう。

たぶんね、上記にあげられてれいる産地の黒土や砂だけじゃなくって、もう全国いたるところの土のデータを検討して、ベストなのはこれだ!!っていうのを導いているんだと思いますよ。配合ひとつ決めるだけでも、涙ぐましい努力がありそうです…

 

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冬のお休みの時期にはフィールドを掘りおこしている

さてさて阪神園芸さん、試合と試合の合間とかにグラウンド整備をしていることで知っている人も多いようです。雨が降ってもグラウンドがすぐに復活するのは阪神園芸さんのおかげ。機械も使っていますが、あくまでもこだわっているのは人によるトンボでの整備。試合をしているとどうしてもスパイクの跡なんかで不均一になりますが、それを長年経験を積んだプロフェッショナルによって最適な状態にしています。

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出典:http://www.hanshinengei.co.jp/takumi/sat-also-alive/

 

グラウンド整備って1年生がやらされるものっていうイメージの延長で見ていましたがしたがとんでもないですね。つくづく阪神園芸さん、ごめんなさい…

 

そうやってグラウンドの表面をベストな状態にしているのもすごいのですが、意外だったのが、整備のために冬に内野フィールドを25cm前後、掘りおこしているということ。いやはや陽のあたらないところでそこまで甲子園球場のために尽くしているのですね。

甲子園球場では野球等イベントのない1月から2月末にかけて内野フィールド部分全体を約25cm前後、耕運機で畑のように掘り起こした後、ゆっくりと転圧しながら理想の「弾力性のある土」に仕上げて行きます。気象条件は毎年変わりますから、その年によって出来栄えが微妙に異なる場合がありますし、仕上がってからの使用状況や期間で状態が違って来ます。まさに「土も生きている」と言うことですね。

 

土も生きている|匠の技 | 阪神園芸株式会社

 

土が柔らかずぎず、硬すぎず。水はけがよく、水持ちもよく。

ボールが大きく跳ねないようにするためには土が柔らかくないといけないが、もし砂浜みたいに柔らかすぎると走りにくい。

適度に水分を含んでいないと土が舞ってしまうしプレイに支障がでるけれど、雨が降ったときには水はけがよくないといけない。

そういったことを実現するためには表面だけでなく、厚み30cmくらいまでが最適な土の状態にしておく必要があるようです。

よくスポンジに例えられるのですが、水を適度に吸収して、そして不要な水は吸いこまないような感じになるのがいいんです。

 

でも1年間、選手達が踏み固めていて土は固くなっているはず。砂遊びをしたことがある人なら分かると思いますが、硬いところを掘りおこしただけだど土はダマになってますからね。それを砕いて砕いて、そしてかためて理想的な弾力のある状態にするって、相当な作業だし、技術も要することだと思います。

 

阪神園芸のほかの事業

こんなにも甲子園球場のためにがんばっている阪神園芸さん。実は行っている事業は甲子園球場の整備だけじゃないんですね。

営業種目

1.環境緑化工事の施工及び維持管理

2.運動施設工事の施工及び維持管理

3.観葉植物のリース

 

会社概要 | 阪神園芸株式会社

 

さすが、園芸という会社だけあって、緑化なんかもメインの事業のようです。

甲子園球場でのノウハウを活かしてってことですが、土の水はけよく、そして水持ちよくって植物も同じですから。土に水がないと植物は育たないけれど、いつまでも水が溜まっているようだと植物は腐ってしまう。

 

西宮駅や三宮駅の緑化や、万博記念公園の植栽管理、建物の屋上緑化とか実績多数です。

 

参考:事例紹介 | 阪神園芸株式会社

 

すごいなーと思ったのは、つくったあとに維持管理もしっかりとしているということ。会社でもあるじゃないですか。えらい人が勢いで企画してつくったプロジェクトとかシステムとか、つくり終わったあとはその後やっといてねって感じで、下っ端の人が超めんどくさい維持管理をするってこと…しかもつくる段階で維持管理のことを考えてないから本当にやりづらい。

 

こういうのって植物相手だから、なおさら維持管理って大事になるんですよ。実際に阪神園芸さんが維持管理しているのか、もしくは別の会社に依頼している可能性もなきにしもあらずな気もちょっとするのですが、少なくとも維持管理にも力を入れているからこその信頼があってこれだけの実績があるのでしょう。

 

こうやって甲子園の土のこと、そして阪神園芸のことを調べてみると、影で支えている人がいてからこそ、高校球児やプロ野球選手の輝かしい姿があるのだろうなと思いました。やはり甲子園の土は格別です。

 

私たちがいつもの恒例だなと見ている、高校球児が土を袋にかき集めるシーン。彼らが甲子園球場に1歩入ったときの感動、最高の状態の土を踏んだときの感触、土にまみれながらもボールをつかみ取った情熱、ベースにすべりこんで1点をとった喜び…

地方大会を勝ち抜いて、なおも全国の頂点に立ちたいと戦った選手達にしか分からない、甲子園の土への想いがあるのではないでしょうか。

 

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